2009 Fiscal Year Annual Research Report
NotchのO-フコシル化やその機能発現に関与する新規遺伝子の同定と解析
Project/Area Number |
08J03153
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鮎川 友紀 Tokyo University of Science, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Notch / 糖鎖修飾 / O-フコシル化 / O-型糖鎖 |
Research Abstract |
NotchのO-型糖鎖修飾は、Notchとリガンドとの結合や、Notchの細胞内局在などにおいて多彩な機能をはたしています。これらに関する研究から、糖鎖修飾による受容体の制御に関する先駆的な概念が提唱されてきました。しかし、NotchのO-型糖鎖修飾の機構や、その調節因子、NotchのO-フコシル化がどのような機構によってNotchの細胞内局在を制御するのかについてはまったく理解されていません。本研究では、O-フコシル化の細胞内経路や、O-フコシル化の機能発現のメカニズムを理解し、新たな糖鎖修飾プロセスやその機能を明らかにすることを目指します。 これまでの研究で、私は、NotchのO-フコシル化やその機能発現に促進的に働くと考えられる遺伝子を同定しています。次に、同定した遺伝子が、NotchのO-フコシル化やO-フコシル化に依存したプロセスに促進的に働くか検討を行いました。前年度までに4遺伝子について解析を完了していましたが、今回、残りの遺伝子についても解析を行い、5つの候補遺伝子すべてにおいて解析が終了しました。スクリーニングで同定された5つの候補遺伝子すべてがNotchのO-フコシル化に依存してNotchシグナル伝達の活性化に機能していることがわかりました。 次に、候補遺伝子の内在性の機能を明らかにするため、機能喪失型突然変異体を作出し、機能解析を行いました。すべての候補遺伝子について機能喪失型突然変異体の作出に成功しましたが、すべてについて、ホモ接合体でNotchシグナル伝達は正常でした。この結果は、ゲノムにこれらの遺伝子と重複して機能する遺伝子が存在する可能性を示唆しています。実際に、候補遺伝子の1つに関しては、重複して機能する可能性がある遺伝子が存在します。よって、重複して機能すると考えられる遺伝子と候補遺伝子の二重突然変異体を作出することでNotchシグナル伝達の低下が期待できます。現在、重複して機能する可能性のある遺伝子に関して機能喪失型突然変異体を作出し二重突然変異体の作出を試みています。これらの解析を進めることで、新たな糖鎖修飾プロセスやその機能を明らかにする手掛かりになると考えられます。
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Research Products
(5 results)