2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J03164
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中江 貴志 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 白励振動 / ディスクブレーキ / 低周波鳴き / 不安宗振動 / 動吸振器 / クーロン摩擦 |
Research Abstract |
本研究の目的は発生メカニズムの異なる3つの自励振動系に抑制対策として動吸振器を適用し,あらゆる自励振動系に適用でき,自励振動を完全に抑制できる動吸振器の最適設計法を体系化することにある.今年度はそのひとつであるクーロン摩擦に起因して発生する自動車用ディスクブレーキの鳴きに適用できる動吸振器の設計法について調べた. 自動車用ディスクブレーキの鳴き対策に関する基礎的な問題として,まずクーロン摩擦に起因する簡単な自励振動系である2自由度の分布接触ブロックモデルを用いて実験と解析で動吸振器の効果を調べた.このブロックの底面にゴムを張り合わせ,真鍮板に押し付けてスライドさせ定常的な鳴きが発生することを確認し,ブロック端に長穴を有した片持ちばり動吸振器を取り付け長穴に取り付けたボルトをスライドさせることによって動吸振器の固有振動数を調節しその効果を調べた.また動吸振器の減衰はブロックと動吸振器の間に合成ゴムを挟むことによって調節可能にした. 実験の結果,動吸振器の固有振動数を鳴きの振動数付近にチューニングすると抑制効果があり,また動吸振器に減衰を付加しなくても抑制効果が十分にあることが確認され実験と解析でよい一致を示した. また,実際のディスクブレーキを用いて片持ちばり動吸振器をボルトを介してキャリパに締め付け,その締め付けトルクを変えることによって動吸振器の固有振動数を調節し抑制効果を実験および解析で調べた.その結果,動吸振器の固有振動数を鳴きの振動数付近にチューニングすると抑制効果があり,今回の実機を用いた実験では動吸振器にゴム等による積極的な減衰は行わなかったが十分な抑制効果が得られ,ブロックモデルの結果とよい一致を示した. クーロン摩擦に起因する自励振動系に適用する動吸振器は動吸振器の固有振動数を自励振動の発生振動数にほぼ一致させ必ずしも減衰を必要とはしないことが明らかになった.
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Research Products
(2 results)