2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形破壊力学を適用した節のモデル化および有節材の強度予測式の確立
Project/Area Number |
08J03182
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永井 博昭 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | デジタル画像相関法 / 節 / 曲げたわみ分布曲線 / ひずみ分布 / 欠点検出 |
Research Abstract |
これまでの研究で明らかになっていた、曲げたわみ分布曲線が死節周辺で変化するのは断面欠損、流れ節周辺で変化するのは局所的な繊維走向の変化の影響であるという事実に加えて、曲げたわみ分布曲線を初等はり理論に基づいた理論曲線へと回帰することで欠点の検出を試み、たわみ曲線と回帰曲線の残差分散を用いることで、破壊に至る節を検出することができた。以上の内容について学会発表をおこなうとともに学会誌へ発表した。 また本研究では、木材の強度に大きな影響を与える節を取り上げ、非線形破壊力学を適用したモデル化および有節材の実用的な強度予測を目的とする。その際、節の破壊機構を明らかにする必要がある。そこで有節材の縦引張試験および曲げ試験をおこない、有節材が破壊する過程のひずみ分布をデジタル画像相関法によって観察した。縦引張試験において、終局破壊に至るき裂は、節周辺の繊維傾斜部で発生していた。また既往の研究では、き裂の進展は繊維方向とされているが、節周辺において繊維は3次元的に変化しているので観察面で繊維方向に進展するとは限らなかった。き裂が発生(破壊)する直前では、き裂の進展方向に対して直交方向のひずみが1.5〜3%に達していた。さらに、き裂の進展方向が加力方向に対して斜めである場合、せん断ひずみが大きくなり、その値は2〜3%程度に達した。これらのひずみの大きさは既往の研究(宇京ら2004、Miyauchi et al.2007)から非線形域に入っていることが予想され、本研究の目指す非線形破壊力学を適用した節のモデル化は妥当であると考えられる。以上の内容について学会発表をおこなった。
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Research Products
(3 results)