2008 Fiscal Year Annual Research Report
カイコ内在性シャペロンの機能解析とその組み換えタンパク質発現系への応用
Project/Area Number |
08J03257
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 隼 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | カイコ / タンパク質発現系 / 細胞質シャペロン / Hsp90 / Cdc37 / Fkbp59 / Hop / p23 |
Research Abstract |
細胞質シャペロン過剰発現トランスジェニックカイコを作製し、よりよいタンパク質生産能を有したカイコを作成するために研究を行っている。しかしながらカイコにおける細胞質シャペロンの分子機構はほとんど研究されていないのが現状であり、本年度はそのBmHsp90 chaperone systemの保存性を確かめるために基本的な機能解析を行った。 まずキナーゼを大量に生産する際にそのフォールディングに働きかけると考えられるBmHsp90,BmCdc37について研究を行った。今回の研究結果はBmHsp90と哺乳類MAPKと相互作用し、また細胞内のBmHsp90が無ければ、MAPKは正常なフォールディング獲得できないことが分かった。しかしながらBmCdc37と哺乳類MAPKは親和性が低いことが示唆された。 次にホルモンレセプターのフォールディングに寄与するシャペロンを同定した。ヒトではFkbp51.52,Cyp40,Hop,p23と報告されているが、カイコではそれらのホモログと考えられる遺伝子は、BmHsp90との相互作用解析、組織別発現解析からBmFkbp59,Hop,p23の3つのコシャペロンであると考えられた。カイコホルモンレセプターBmEcR、BmFtz-F1はBmHsp90との相互作用が確認されたが、コシャペロンとはBmFkbp59のみが相互作用が確認された。さらに相互作用局在解析や免疫染色によると他のコシャペロンも一部Ftz-F1と核で共局在しており、シャペロンがFtz-F1の核移行に重要であることが示唆された。EcR/USPの活性化レポーターアッセイを行うと、BmHsp90,Hop,p23は全てEcR/USP活性を1.5-2.0倍上昇させることが分かった。これらの結果より、カイコシャペロンの保存性、特異性の基礎的な様相が明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)