2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規[3+2+2]型環化付加反応を用いる生物活性化合物及び多環性化合物の合成
Project/Area Number |
08J03292
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
駒川 晋輔 Tokyo University of Science, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ニッケル / 環化付加反応 / 触媒反応 / レチノイド / 共役エンイン / 多成分反応 |
Research Abstract |
ニッケル触媒を用いた[3+2+2]型環化付加反応を利用し,レチノイド類縁体の合成を試みた。電子欠乏性メチレンシクロプロパンとアルキンから容易に構築できる7員環化合物のエステル部位を加水分解し,アミノ安息香酸エチルとカップリング反応,安息香酸エステル部位の加水分解を経て数種のレチノイド類縁体を合成した。この化合物の分化誘導活性を測定した結果,弱い活性があることが確認された。また,興味深いことに合成した化合物の中に神経成長作用があることを確認した。本化合物は短工程で容易に合成でき,かつ7員環上の置換基を種々変えられる点から,更なる発展が見込めるものであるといえる。 また,共役エンインを用いた[3+2+2]型環化付加反応について検討を行った。ニッケル触媒下電子欠乏性メチレンシクロプロパンと共役エンインとの反応は効率よく進行し,70-90%の収率で目的の7員環化合物を与えた。本反応は3成分間反応に展開することもでき,トリメチルシリルアセチレンを用いることで,選択的に3成分付加体を与えた。ここで得られた7員環化合物に対しDiels-Alder反応を試みたところ,目的の多環性化合物を与えた。さらに,3成分[3+2+2]型環化付加反応とDiels-Alder反応をワンポットで行うことで,4成分[3+2+2]/[4+2]型連続環化付加反応を達成した。本反応は単純な分子から複雑な多環性化合物を一挙に構築することのできる有用な反応であるといえる。
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Research Products
(6 results)