2008 Fiscal Year Annual Research Report
IL6依存的、非依存的経路によるIL17産生性T細胞の分化誘導メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J03295
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 彰宏 Osaka University, 生命機能研究科, 寄附講座助教
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Keywords | Ahr / Th17 / IL-6 / LPS / マクロファージ |
Research Abstract |
これまでの研究成果からTh17細胞の分化にダイオキシンレセプターであるAhrが関与していることを突き止めていたが、その作用機序に関しては不明であった。Stat1はTh17細胞の分化に抑制的に作用していることが報告されており、今回AhrがこのStat1の活性を制御することでTh17細胞の分化に関与していることを発見した。また一方でAhrは自然免疫反応においても重要な役割をになっていることを明らかにした。 具体的にはマクロファージにおいてLPSやCpG-ODNなどのTLR ligandによりAhrが誘導され、AhrはLPS刺激によるIL-6やTNF-α産生などの炎症反応を抑制していることが判明した。この際にもAhrはStat1と結合しておりAhr-Stat1複合体はNF-κBの転写活性を阻害することで炎症反応を制御していた。Ahrの各免疫担当細胞におけるconditional KOマウスの作成も完了しており、現在はこれらconditional KOマウスを用いてさまざまな自己免疫疾患とAhrとの関連について解析を進めている。今回の研究成果によりAhrはさまざまな免疫応答ににおいて重要な役割を果たしていることが明らかとなった。さらにはAhrの免疫系における機能を解明していくことで、これまで不明な点が多かった自己免疫疾患発症メカニズムが明らかになる可能性もあることから本研究成果の意義は非常に高いものと思われる。
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Research Products
(4 results)