2009 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質代謝機構のFRETプローブを用いた時空間的解析
Project/Area Number |
08J03305
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西岡 照子 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ホスファチジン酸 / FRET |
Research Abstract |
(1)PAをモニターするFRETプローブの作製 PA-FRETプローブは、N末端よりシアン色蛍光タンパク質、PA結合ドメイン、黄色蛍光タンパク質、K-Rasの形質膜局在化信号から構成される。PA結合ドメインとして、これまでにPAに結合するとの報告のあったTGD、SOSのPHドメイン、DOCK2のC末端領域を用い、それぞれ1786x、2126x、2127xと命名した。PA結合ドメインに蛍光タンパクをつけたプローブを用いたPAの局在は既に報告されているが、FRETプローブを作製した報告はまだないため、本研究は新規性かつ独自性がある。(2)プローブの確立 作製したプローブ群を発現させたCOS7-E3細胞に合成PA(1,2-ジオクタノイル-sn-グリセロール3-リン酸)を加え、蛍光顕微鏡下でリアルタイムイメージングを行った。合成PAの添加により、2126xと2127xではFRET効率の変化が見られたことから、PAを検出していることが確認できた。従来のプローブでは脂質結合によりFRET効率が上昇していたが、今回作成したPAプローブではFRET効率が減少したため、CFP/FRETの値をFRET効率の指標としている。FRET効率の変化はPAを認識しない変異体プローブでは観察されないことから、PA結合依存的であることが確認できた。また、PAを産生する酵素であるジアシルグリセロールキナーゼ、ホスホリパーゼD(PLD)を細胞質から細胞膜に誘導的に移行させると、同様にFRET効率が変化したことから、プローブは内因性のPAも検出できることが確認された。(3)上皮増殖因子(EGF)によるPAの産生 2126x、2127xを発現させたCOS7-E3細胞をEGFで刺激すると、細胞膜のラフル部においてFRET効率の上昇が一過性に観察された。したがって、PAはEGFによって一過性に局所的に産生されることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)