2008 Fiscal Year Annual Research Report
光親和性エピトープタグプローブを利用した就眠運動関連受容体の同定と生物有機化学
Project/Area Number |
08J03342
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
真鍋 良幸 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | FLAG / 免疫沈降法 / 就眠運動 |
Research Abstract |
イソレスペデジン酸カリウム(1)はカワラケツメイの就眠運動をコントロールする生理活性物質である.我々は分子プローブを用いて,1の標的タンパク質を抗原性ペプチド(FLAG)で標識し,免疫沈降法を用いて精製しようと考えた.FLAGは特異性の高い優れた標識であるが,分子サイズが大きく,これを導入することにより,分子プローブと標的タンパク質との結合能の低下が予想された.そこで,アジドを導入したサイズの小さな分子プローブを用いて標的タンパク質をアジド標識化し,Click chemistryを用いて段階的にFLAGを導入することとした.昨年度は,分子プローブを合成し,標的タンパク質の検出に成功した. ヨードアセトアミド基とアジド基を導入した分子プローブ(2)を設計し,合成した.合成した2は,3×10^<-6>Mでカワラケツメイの葉を開かせる活性を示した.これは天然物の活性値の3倍の値であり,活性をほぼ保持したままのプローブ化に成功した。 続いて,化合物1の標的細胞である運動細胞をプロトプラスト化し,合成したプローブを用いた標的タンパク質の標識化実験を行った.運動細胞プロトプラストをプローブ2とインキュベートすることにより標的タンパク質をアジド標識化し,続いてClick chemistryを用いてFLAGを導入した.得られた反応物を細胞質画分と膜画分に分画したあと,各々をSDS-PAGEで分析した.その結果,細胞質画分に1の標的として.分子量83kDaのFLAG標識化タンパク質が検出された.続いて,抗FLAG抗体を用いた免疫沈降法によって,このタンパク質を精製することに成功した.このように,Click chemistryを用いる標的タンパク質のFLAG標識化は,生理活性天然物の標的検出と精製に利用できる強力な手法であることが示された.
|
Research Products
(6 results)