2008 Fiscal Year Annual Research Report
光非線形結晶化ガラス薄膜の創製と光集積回路への展開
Project/Area Number |
08J03388
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 良 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ガラス / 薄膜 / レーザー照射 / 光非線形性 |
Research Abstract |
本研究ではレーザーを用いたガラスーナノ結晶の構造形成方法およびLiNbO_3級の非線形光学定数を誇るBa_2TiGe_2O_8(BTG)析出結晶化ガラスをベースとした薄膜光集積回路め作製の提案を目的として研究を進めた。今年度の課題を(1)結晶性薄膜の高品質化(2)非晶質薄膜へのレーザー照射により誘起される現象解析とした。BTG結晶化ガラスと結晶性薄膜の相違の一つとして非線形光学定数の低下が挙げられ、熱処理後の薄膜表面粗さの増大が理由の一つである。これらを改善することで非線形性の向上を目指した。そこで非晶質薄膜に対して低温で熱処理(核形成)を行う一段階熱処理、次いで結晶成長促進を目的として高温で熱処理を行う二段階熱処理を行った。はじめに核形成温度の見積もりを行い得られた核形成温度および結晶成長温度で熱処理を行ったところ結晶性薄膜一段階熱処理と同様に目的結晶相であるBTGの析出を確認することが出来た。また、AFM観察では一段階熱処理で見られた円錐状の隆起が二段階熱処理を施すことにより消失が確認出来た。次にMakerフリンジ法により結晶性薄膜の非線形性の評価を試みた。明瞭なフリンジパターンが観察でき、また、見積もられた非線形光学定数にも改善が見られた。結晶化ガラスの位置選択的な結晶化は光を吸収する元素をガラス内部に添加するためこれらが析出する結晶相へ取り込まれ機能性の低減化要因になり得る。そこで薄膜中にではなく基板にこれらの機能を持たせた。第一段階として市販の熱線吸収ガラスを基板に用いたがレーザー照射による基板の膨張による膜剥離が観察された。そこで熱線を吸収する低熱膨張ガラスセラミックスの開発を(株)オハラと共同で行った。これら基板に成膜した薄膜に対しレーザー照射を行った結果、本条件下でレーザーを用いたガラス薄膜の構造変化の誘起が可能であることがわかった。
|
Research Products
(6 results)