2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性と遺伝子発現プログラムの可視化を基盤とした植物初期胚の体軸獲得機構の解明
Project/Area Number |
08J03415
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
植田 美那子 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分子生物学 / 初期発生 / 転写因子 / 体軸形成 |
Research Abstract |
高等生物は複雑な構造をもつが、それらは全て受精卵という単一細胞に由来する。高等植物の受精卵は高度な細胞極性をもち、その不等分裂によって異なる発生運命をもつ娘細胞を生じる。この際の軸性は成熟体の頂端-基部軸に相当するが、初期発生の過程で体軸が形成される仕組みについては現在でもほとんど分かっていない。 シロイヌナズナのホメオボックス型転写因子をコードするWOX8(WUSCHEL RELATED HOMEOBOX8)遺伝子は受精卵で発現し、その不等分裂後には一方の基部側の娘細胞にのみ発現が受け継がれる。我々は、このようなWOX8の非対称発現を制御する複数のcis配列を同定し、それぞれに特異的に結合する因子を網羅的に探索した。酵母oneハイブリッド法によるスクリーニングの結果、全てのcis配列について、各々に特異的な転写因子の同定に成功した。 これら転写因子群の変異体のなかには、受精卵の細胞極性や初期胚の体軸が損なわれたものが複数見つかった。そこで、野生型と変異体の受精卵を単離して遺伝子発現を網羅的に比較することで、体軸形成の鍵因子を探索することを試みている。現在までに受精卵の蛍光標識に最適なマーカーを見出し、上記の変異体群を含め、受精卵に異常を示すさまざまな変異体への導入を完了した。現在はその蛍光を指標として顕微鏡下での受精卵単離を進めている。これらの転写因子は植物受精卵の極性を制御するものとして世界で初めての報告例であるため、このような遺伝子発現の比較により、受精卵極性を制御する因子が世界に先駆けて同定できると期待される。
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Research Products
(2 results)