2008 Fiscal Year Annual Research Report
アノマラスU(1)大統一理論の高次元模型への埋め込み
Project/Area Number |
08J03463
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 敏史 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員-PD
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Keywords | アノマラスU(1)ゲージ対称性 / 超対称大統一理論 / 高次元模型 / 超弦理論 / ゲージ・ヒッグス統一模型 / 暗黒物質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々が以前に構成した非常に興味深い超対称大統一理論の枠組みにおける模型である、アノマラスU(1)大統一理論を高次元模型に埋め込むことです。 本年度においては、繰り込み不可能な相互作用を含む4次元超対称模型における繰り込み群方程式の取り扱いについての研究をまとめ、発表しました。アノマラスU(1)大統一理論はそもそも繰り込み不可能な相互作用を含む有効理論として定義されており、その現象論的な予言を行うためには、この研究において開発された手法が重要になると考えられます。また、まだ論文としてまとめるまでには至っていませんが、量子重力までめた統一理論の候補と目される超弦理論から直接アノマラスU(1)大統一理論の導出を試みるトップダウン的なアプローチに基づく研究や、この模型を埋め込むべき高次元模型そのものの性質を理解する研究も進めました。前者の研究により、高次元模型への埋め込み方に関する示唆が得られるものと期待しています。後者では特に、ゲージ場とヒッグス場を統一するシナリオにおけるユニタリー性・暗黒総質の可能性についての研究を行っています。暗黒物質に関しては、典型的なWIMPシナリオが実現され、適切な残存量を予言するパラメータ領域が存在ることを確かめました。また、このシナリオではヒッグス場との相互作用は対称性で高限されるため、直接・間接検出に特徴的な予言を与えることが期待され、研究を進めています。
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Research Products
(4 results)