2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯雨林伐採の展開によるマレーシア狩猟採集社会の再編と社会的ネットワークの構築
Project/Area Number |
08J03469
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 裕美 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マレーシア / 森林開発 / 狩猟採集民 / 民族誌 |
Research Abstract |
1、まず、サラワクにおける森林政策の展開を理解するために、州の公文書館において土地法、森林法などの法令集を収集した。また、サラワク州で最も大規模な森林開発である、木材伐採、アブラヤシ農園、アカシア植林の展開について、地元の施行会社にインタビューと資料の収集を行った。開発政策については、州政府サラワク貧困開発局が行なうプロジェクトの実施資料過去10年分入手するとともに、郡役所において開発政策にかかわる資料を入手した。同時に地方役人、小・中学校の校長、村長へのインタビューをおこない、情報を入手した。 2、サラワク州の農村部ブラガ地区において、住み込み調査を行い、生業活動と生計システムにかんする定量データの収集を行った。具体的には45世帯への悉皆調査と生業の異なる6世帯への集中的な調査を行った。これにより当該社会における生業の経歴、焼畑農耕の経歴、土地所有状況、狩猟採集等にかんする体系的なデータを収集した。さらに、遊動時代の生業・生計システムと比較するために、年配者数名へのインタビューを実施した。 3、定住した狩猟採集社会における社会関係の再編とネットワークの構築を明らかにするために、上記社会において事例の収集をおこなった。具体的には、定住地における労働交換、生業の共同作業、食物の分配、相互扶助関係のデータを45戸で収集した。また、他民族や他組織(伐採会社、政治家)とのネットワークの構築にかんして村長や村人へのインタビューを行うとともに、遊動時代の社会ネットワークと比較するため、村長と年配者数名へのインタビューを行った。
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Research Products
(3 results)