2008 Fiscal Year Annual Research Report
メタン排出削減を目的とした植物圏共生C1微生物のC1代謝機構の解明と利用
Project/Area Number |
08J03515
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 奈央子 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | メタン / メタノトロフ / 水生植物 / 共生 / イネ |
Research Abstract |
(1)稲上で効率よくメタンを二酸化炭素へ酸化するメタノトロフをスクリーニングするため、水田およびイネを含む多様な水生植物を接種源として、水生植物に共生するメタノトロフの分離を行った結果、Methylosinus属およびMethylocistis属に類縁なメタノトロフ10株を分離した。このうち、Methylosinus sp.YP6ml株について、菌株を接種した稲苗が、1%メタン-空気雰囲気の密閉系でメタンを消費することを確認した。これは、メタンを消費するメタノトロフ共生イネの構築が可能であることを示しており、今後、接種するメタノトロフ分離株、接種方法、培養方法を検討することで効率化が行えることが期待される。 (2)メタノトロフをスクリーニングする過程において、自然環境における水生植物のメタン酸化活性を調べたところ、ホテイアオイ、ハゴロモモ、オオカダナモやマツモといった、いわいる水草がイネの20倍以上のメタン酸化活性を有することを明らかにした。この試料について、メタン酸化の第一段階を担うメタンモノオキシゲナーゼを標的としたクローンライブラリーを構築したところ、多くの水草由来クローンが未知の系統クラスターを構成したことから、新奇なメタノトロフを含む微生物群集が水草上で効率的にメタン酸化を行っていることが示唆された。今後、水草上でメタンが効率的に消費される機構を明らかにすることで、メタノトロフ共生イネのメタン消費の効率化のための知見となることが期待される。
|
Research Products
(2 results)