2009 Fiscal Year Annual Research Report
メタン排出削減を目的とした植物圏共生C1微生物のC1代謝機構の解明と利用
Project/Area Number |
08J03515
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 奈央子 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | メタン / メタノトロフ / 水生植物 / 共生 / イネ |
Research Abstract |
昨年度、ホテイアオイ、オオカダナモやマツモといった、いわいる水草がイネの20倍以上のメタン酸化活性を有することを明らかにした。本年度は、さらに水生植物における水生植物-メタノトロフ共生関係の普遍性を明らかにするため、水生植物のメタン消費速度およびメタン資化性細菌の検出・定量を行った。琵琶湖より採取した水生植物について、メタン消費速度測るとともに、メタノトロフの膜結合型メタンモノオキシゲナーゼαサブユニットをコードする遺伝子(pmoA)を標的としたクローンライブラリー解析および定量PCRを行った。結果として、8種の沈水生植物のうち5種、4種の浮遊性植物のうち2種が、8.7-20μmol・g-dry^<-1>h^<-1>の高いメタン酸化活性を示した。pmoAクローンライブラリー解析では、Methylococcus、Methylobacter、Methylosoma、Methylosinus、Methylocyctis属などの多様なメタノトロフ由来クローンが検出された、メタンを消費した水生植物におけるpmoA遺伝子のコピー数は、0.47-3.7×10^7copies・g-dry^<-1>であり、水生植物のメタン消費速度と正の相関関係を示した。これより、水生植物が系統学的に多様なメタン資化性細菌のメタンサイクルの場として機能していることが示された。これら水生植物の表面バイオフィルムを洗浄した試料において、メタン消費速度が著しく低下したことを確認したとともに、そぎ取ったバイオフィルムからメタノトロフを蛍光in situハイブリダイゼーションにより検出した。これより、メタノトロフを含むバイオフィルムの形成が水生植物-メタン資化性細菌共生系の構築に重要であることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)