2008 Fiscal Year Annual Research Report
下部マントル条件におけるメルトの弾性波測定と状態方程式の決定
Project/Area Number |
08J03529
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朝原 友紀 Osaka University, 地球物質科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 水 / 弾性波速度 / 高温高圧 / ダイヤモンドアンビルセル |
Research Abstract |
本研究では、他の方法では測定することが困難な、地球内部条件下での水や珪酸塩メルトなど液体の密度を、高温高圧ブリルアン散乱-X線回折同時測定法を用いて明らかにする事を目的としている。 2008年度には、SPring8のビームタイムを用いて、金を圧力指標物質とした、水の融点直上におけるブリルアン散乱-X線回折同時測定実験を5-25GPa,500-900Kの温度圧力範囲で行った。圧力指標物質に用いている金の融点が、輻射温度計で温度を安定に測定できる温度領域よりも低いことから、温度は水の融解曲線を用いて求めている。このため、弾性波速度データが融点直上に限定されることから、それを高温高圧下の水の密度に変換する手法について検討を行い、Murnaghanの状態方程式を仮定することで、実験により得られた速度データを密度に変換する手法をとった。この手法を用いれば、体積弾性率やその他様々な物性値が精密に分かっている低圧領域に定点をおくことで、そこからの体積弾性率の圧力依存性をパラメターとして最適化することにより、速度データを密度に変換することができる。求められた25GPa、900Kまでの温度圧力領域(融点上)での密度は、6GPaまでの水の弾性波速度データを基礎とした状態方程式の予見とよく一致することが分かった。ただし、液体の状態方程式については多様な提案がなされており、どの状態方程式を採用するかは今後さらなる議論の必要があり、また。その議論の為にも、融点上にとどまらず、より広い温度圧力領域における実験を進めていく必要がある。
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Research Products
(7 results)