2010 Fiscal Year Annual Research Report
下部マントル条件におけるメルトの弾性波測定と状態方程式の決定
Project/Area Number |
08J03529
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朝原 友紀 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 弾性波速度 / 高温高圧 / 下部マントル / 氷 |
Research Abstract |
本研究は、高温高圧条件下におけるBrillouin散乱-X線回折同時測定法により、下部マントル条件にいたる条件での、水及びケイ酸塩メルト、下部マントル構成物質の弾性波速度を測定し、それらの弾性的性質を明らかにすることにより、地球深部のダイナミクス、および、地球深部におけるメルトやフルイドの関わる諸現象を明らかにすることを目的としている。実験により得られるデータは生の音速データであるため、地震波観測により得られる地球内部の地震波速度情報との直接比較が可能であり、このことからも本研究は、地球科学的に重要度の高いものである。 平成22年度においては地球内部に水を供給するキャリアーになりうる、H_2O固体相(氷)について、室温における弾性波速度を60GPaまで測定し、水素の結合状態の変化(氷VI相→氷VII相)に伴って弾性波速度が大きく変化することを観測にした。このことから、氷VI相から氷VII相への相転移は、種々の熱力学的性質の不連続変化を伴うものであることが明らかになった。この氷の弾性的性質の変化は、地球内部に沈み込む冷たいスラブのダイナミクスに影響を与えている可能性がある。また、より精度の高い温度制御のもとでの実験を目指し、Brillouin散乱測定システムに外熱式加熱システムの導入を行い、40GPa、900Kまでの温度圧力条件での氷の弾性波速度、X線回折同時測定実験を可能にした。
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Research Products
(7 results)