2008 Fiscal Year Annual Research Report
青枯病菌に感染するバクテリオファージの解析とバイオコントロールへの利用
Project/Area Number |
08J03533
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 亜希子 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 青枯病菌 / バクテリオファージ / バイオコントロール / 植物病理学 |
Research Abstract |
本年度は青枯病菌防除システムの開発に向けての基礎的な知見を得ると共に、青枯病菌研究用ツールとしても利用可能なファージゲノムを用いての組み換えタンパク質発現用ベクターの開発を行う目的で以下の通り研究を実施した。 1.青枯病菌に対して強力な溶菌活性を有するバクテリオファージφRSB1について、その全ゲノムシークエンスを明らかにすると共に、ゲノム解析、タンパク質解析、プロモーター特性等について解析を行い、以上のデータを論文として発表した(Kawasaki et al.,2009,J.Bacteriol.※申請者は4th author)。 2.ファージを用いた青枯病菌防除技術の開発の為に、3種の溶菌性ファージ(φRSL1,φRSA1,φRSB1)における感染特性、耐性菌出現頻度及び混合系を用いた場合の有効性に関する基礎データの収集を行った。青枯病菌培養液に対してファージ溶液を添加した結果、φRSA1,φRSB1単独または3種混合系の場合には一定期間顕著な青枯病菌抑制効果が見られた後、再び増殖に転じるというパターンが観察されたが、φRSL1単独添加においてはより長期間に亘っての青枯病菌増殖抑制効果が認められた。現在、耐性菌感染ファージの取得及び植物体内における抑制効果についての検証を行っている。 3.φRSA1ゲノムを用いての青枯病菌ベクター化に成功した。この際、外来遺伝子として緑色蛍光タンパク質GFPを導入し、青枯病菌体内においてその発現を確認した。当研究室において既に開発されているファージゲノム(φRSS1)を基としたベクターは、非常に安定であるがコピー数が少ないという問題点があった。それに対して、今回新たに作製したφRSA1ファージベクターは多コピーであるという利点を有しており、これらめベクターを状況に応じて使い分けることが可能である。
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Research Products
(3 results)