2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブラウン運動を駆動力とする生体分子モーターの制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J03648
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森松 賢順 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分子モーター / ミオシン / 1分子計測 |
Research Abstract |
骨格筋のミオシンはATPの加水分解エネルギーとブラウン運動を利用して、アクチンフィラメント上を動く。このミオシンの運動機能とブラウン運動の関係をより詳細に調べるためには、空間分解能がナノメートル、時間分解能がマイクロ秒の計測を行うことが一番である。しかしながら、ミオシンはアクチンと相互作用後に数ミリ秒で解離拡散してしまうため、同一分子の運動計測、統計解析を行うことが不可能に近かった。そこで本研究ではアクチンと常にアンカーされた鎖(アンカーDNA)を用いたミオシンの調整を行うことにした。本研究の目的は、超高速暗視野顕微鏡とアンカーDNAを用いてブラウン運動を駆動力としたミオシンの運動制御メカニズムを解明することである。具体的には、(i)超高速顕微鏡の改善、(ii)DNAの調整、(iii)先行研究で示された結果の追試、(iv)解離状態でブラウン運動するミオシンのアクチンへの結合定数の定量、(v)アクチンの構造的要因とミオシンの運動との関係の解明、等を行う。 本年度は主に上記の(i)、(ii)の計画を遂行した。 (i)今回構築した暗視野顕微鏡を用いることで、27kfpsの時間分解能でかつナノメートル計測が可能になった。 (ii)DNAをアンカーと用いて、プローブをアクチンフィラメントと結合させることに成功した。来年度は、プローブにミオシンを結合させ、アクチンフィラメント上での運動を計測する。 今後、(iii)以降の計画を実行することで、ブラウン運動を駆動力とする生体分子モーターの制御メカニズムの解明を行っていきたい。
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Research Products
(3 results)