2008 Fiscal Year Annual Research Report
不定形運動からのダイナミクス・ベースト制御の新展開
Project/Area Number |
08J03649
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅舘 拓也 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自律分散制御 / ソフトロボティクス / 原型質量保存則 / 可変弾性要素 / 実時間適応性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,生物がもつ非構造的で予測不可能的に変動する環境下で実時間かつ合目的的に振る舞いを自己組織化しながら対処する知(生存脳機能)の発現メカニズム・設計原理を明らかにすることにある.特に本研究では,最も原初的なロコモーション様式かつ不定形でるアメーバ様ロコモーションの発現原理を解明することを目的とする.平成20年度には,シミュレーション上でロボットを構築し,狭窄空間などの環境において環境変動に対する実時間適応性の検証を行った.さらに,シミュレーションモデルをもとに実機製作を行い,実世界においてもロコモーション生成に成功した. シミュレーションモデルを構築するにあたり,Discrepancy Functionに基づく局所センサフィードバックの設計方策を提唱した.アメーバや粘菌を模した柔らかいロボットを設計する場合,その機構系がもつ膨大な自由度を巧みに,自律分散的に制御する必要がある.本研究では,機構系に保存則(内部に原形質を持たせ体積が一定になるように設計)と柔らかさを持たせることで,力学的長距離相関が生起されるように設計し,本研究で提案した局所センサフィードバックを組み込むことで,完全自律分散でロコモーションを生起させることに成功した.また狭窄空間においても,その形態しなやかに変形させて,狭窄空間を通り抜けることを示した. さらにシミュレーションモデルをもとに,実機および実験に必要な装置を制作し実世界での実験を行った.力学的な長距離相関を生起させるために内質としてバルーンを組み込み,それらの周りを自然長が改変可能な可変弾性要素で構成した外皮もったソフトロボットを構築し,ロコモーション生成に成功した.これらの結果から得られる知見は,大自由度系やソフトロボットを構築する際に非常に重要であると考えられる.
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Research Products
(11 results)