2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J03657
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
酒井 千春 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特別研究員(PD)
|
Keywords | メダカ / 細胞培養 / 精原細胞 / 減数分裂 |
Research Abstract |
本研究の目的は、メダカの精原細胞を増殖させ、精子へ分化させる培養系を確立し、減数分裂における遺伝子の機能解析を可能とすることである。 前年度の研究により、メダカ精原細胞を試験管内で増殖させ精子にまで分化させること、およびエレクトロポレーション法により精原細胞にベクターを導入することに成功したが、その効率は約10%と低いものであった。 これは用いる細胞に精原細胞以外の細胞が大量に含まれていることが原因であると考えられたため、今年度はまず精原細胞の濃縮を試みた。フローサイトメトリーにより細胞サイズを指標としてメダカ精巣細胞の解析を行ったところ、4つの集団が存在していた。これらを分取し、各集団の細胞の形態観察および精母細胞マーカーを用いた解析により細胞種の特定を行ったところ、最もサイズの大きい集団中に約70%の割合で精原細胞が存在していることが分かった。この細胞集団用いてEGFP発現ベクターの導入を行うと、最大で28%の導入効率を得ることができた。 次に減数分裂における遺伝子機能阻害実験を行うため、種々の方法で検討を行った。減数分裂特異的に発現する遺伝子であるSYCP1に対するアンチセンスmRNA発現ベクターを導入して免疫染色法による解析を行ったところ、SYCP1タンパク質の発現量低下を示唆する結果を得ることができた。同時に、更に精原細胞リッチな集団を得るための検討を行った。DNAに特異的に結合する蛍光色素であるヘキスト33342の染色パターンを指標として精巣細胞の解析を行ったところ、全細胞中の約1%が特異なパターンを示した。この集団の細胞種を上記と同様に特定したところ、これらの細胞はほぼ100%が精原細胞であり、メダカ精巣から精原細胞を高度に濃縮することに成功した。 これらの結果を併せて用いることで効率的に減数分裂における機能解析を行うことが可能であると考えられる。
|
Research Products
(1 results)