2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J03667
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
鬼丸 真一 Toyohashi University of Technology, 大学院・工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 自己運動知覚 / 視覚性姿勢制御 / 眼球運動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、眼球運動、頭部運動、身体運動、身体移動といった身体運動の階層性が、自己運動知覚にどのような役割をもっているか、どのように処理されているかを科学的に解明し、その工学的応用を考察することである。特に、各階層における空間座標系の時間特性に着目し、時間特性の違いから階層性を分離し、制御する方法を考察する。しかしながら、身体運動の階層性について検討するためには、自己運動知覚における視野特性、感覚モダリティー間の相互作用を探る必要があると考えられた。そのため、初年度は、それらを中心とした研究を進めた。 ヒトの平衡感覚保持には視覚、固有受容感覚、前庭感覚が深く関連している。そこで、視運動刺激、またそれと直行する前庭刺激を電気的に与える(GVS)ことで生じる身体動揺から、自己運動知覚における前庭感覚、視覚の相互作用を検討し、非線形な相互作用を明らかにした。 自己運動知覚の研究分野では、古くから網膜上での刺激面積、偏心度の問題が検討されてきた。そこで、網膜上での刺激面積、偏心度を同時に操作した視運動刺激を提示しか際の視覚性姿勢制御からそれらの特性を調べた。その結果、刺激の運動方向によっては、先行研究によって示唆されてきたような周辺視野有意とは異なる傾向を示すことが明らかとなった。また、網膜偏心度に応じた視野部位と皮質の投射関係(網膜皮質拡大因子)に対しても考察を行い、視覚性姿勢制御のメカニズムは、網膜上での提示面積や網膜偏心度、皮質上面積といった要因単体では説明できず、他の要因やこれらの要因の組み合わせによる高次な相互作用に基づく可能性を示した。
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Research Products
(3 results)