2008 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病に関連した小胞体フォールディング酵素の機能解析
Project/Area Number |
08J03706
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田濱 裕之 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ob / obマウス / ER-60 / レプチン / 小胞体ストレス / db / dbマウス / HepG2 / XBP-1 / パルミチン酸 |
Research Abstract |
肝臓由来培養細胞HepG2において、小胞体ストレス応答の指標としてXBP-1のスプライシングを用いて、パルミチン酸により小胞体ストレスが惹起されるモデル系を構築した。この構築した系を用いて、ドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸がパルミチン酸によって誘導された小胞体ストレスを緩和することを明らかにした。また、小胞体フォールディング酵素の一つであるER-60の強制発現及び特異的ノックダウンに成功した。この系は、パルミチン酸による小胞体ストレス惹起とER-60の発現量との関係を検討する実験において、必要不可欠である。また、Cre recombinant系を用いて、肝臓特異的にER-60を欠損したマウスの作出に成功した。肝臓特異的に小胞体フォールディング酵素を欠損した初めての動物であり、肝臓障害や脂質代謝異常と小胞体機能との関係を追求していく上で画期的な実験系となることが期待できる。さらに、エネルギー代謝調節ホルモンであるレプチンと脂質代謝及びタンパク質代謝の中心オルガネラである小胞体機能との関係という新規な視点で研究を行った。レプチン欠損マウスであるob/obおよびレプチン受容体欠損マウスであるdb/dbでは、野生型と比較して肝臓および脳における小胞体フォールディング酵素ER-60の発現が低いことを見出した。またob/obにレプチンを腹腔内投与すると、肝臓および脳におけるER-60の発現が増加することから、レプチンが一部のER-60の発現調節を行っている可能性が示唆された。フォールディングに関するタンパク質の発現がレプチンのシグナルによって調節されていることを初めて示した。
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Research Products
(4 results)