2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル基質中における神経細胞の運動に対するアクチン架橋タンパク質フィラミンAの寄与
Project/Area Number |
08J03710
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 幸作 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フィラミン / 細胞骨格 / 細胞生物学 / 細胞外基質 / アクチン / siRNA |
Research Abstract |
まず、RNA干渉法によってフィラミンAの発現を抑制した細胞種の作成に取り組んだ。これまでの我々の研究では、siRNAという短いRNA二本鎖を細胞に導入することでRNA干渉を行ってきた。本研究課題では、shRNA発現ベクターを用いたRNA干渉法を採用した。これにより、RNA干渉が起きる細胞だけを効率よく選別できることが期待できる。現在、RNA干渉の効果がある程度確認され、選別の段階に入っている。発現抑制効率を高めるため、RNA干渉法に精通している他大学の研究者と共同で改善策を検討中である。shRNA発現ベクターを用いた実験は技術的な困難が指摘されているが、本研究課題で新規の技術が提案できれば、細胞生物学の進歩にも大きな寄与ができると期待される。 また、本年度は、フィラミンAだけでなく、ファミリタンパク質であるフィラミンBの働きにも注目して実験を行った。フィラミンAとフィラミンBは構造が類似しており、細胞内での働きにも類似点が報告されている。しかし、これらのタンパク質の機能的な違いに関しては、ほとんど報告がなされていない。現在までの実験から、これらのタンパク質が細胞内で異なった分布を示すことが明らかとなった。従って、フィラミンのアイソフォームは、細胞内で異なった働きを持つことが示唆された。これらのタンパク質の働きが分かれば、アクトミオシンの形成機構の解明に寄与できると期待される。
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Research Products
(1 results)