2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子情報の育種利用と畜産におけるバイオインフォマティクスの展開
Project/Area Number |
08J03716
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西尾 元秀 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝子情報 / 病気 / 量的形質 |
Research Abstract |
本年は3つの研究を行った。 分子生物学や遺伝学の発達により、病気や経済的に重要な形質に関わる遺伝子の位置および効果に関する情報が明らかになってきている。このような遺伝子型情報を利用することは家畜の育種計画を決定する上で非常に有益である。特に、病気に関しては劣性遺伝子であるのもが多く、健常な個体でも病気の遺伝子を持っている可能性がある。このような個体を選抜してしまうと将来的に集団に病気の遺伝子が広まり経済的な損失が大きいと考えられる。1つめの研究では、病気の遺伝子の遺伝様式および集団での遺伝子頻度を考慮して、病気の遺伝子を持つ個体を選抜することによって生じる経済的な損失を試算した。 近年では、育種計画において遺伝子情報を有効に利用する方法論が数多く研究されている。しかし、これらの研究では交配様式や世代の重複を考慮していないものがほとんどである。実際の育種システムを考えると、より正確な遺伝的改良量を予測する上で、交配様式や世代の重複を考慮することは重要である。それゆえ、2つめの研究では、世代重複および交配様式を考慮して遺伝子型情報を用いた選抜を最適化する方法を開発した。 上記の2つの研究は遺伝子情報が既知であるという前提の基に行われているが、量的形質では、関連する遺伝子情報か完全ではなく、現状では遺伝子情報のみから遺伝的な能力の評価を行うのは困難である。従来から、量的形質においては遺伝子情報と表現型情報を組み合わせて組み合わせて選抜する方法が研究されてきた。3つめの研究では、量的形質に関与している遺伝子情報(マーカー情報)が公開されているマウスのデータベースから取り出し、実際に遺伝子情報と表現型情報を用いて遺伝的な能力の評価を行った。
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Research Products
(3 results)