2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J03736
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 和也 Kyoto University, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 都市 / 地図 / 路線図 / 空間 / 場所 / メンタル・マップ / 没場所性 / 地域社会 |
Research Abstract |
本年度は地図がもたらす「社会(学)的想像力」について研究を進めてきた。これは、「都市居住と都市-農村関係の社会学的研究」という研究課題の「都市居住」に重点を置いたものである。我々が都市の中に住むことができるためには、当然のことながら、都市を未知のものから見知ったものへと組み替えていくプロセスが必要である。それは、現象学的地理学の概念を援用すれば、目の前に広がる「空間」を、愛着を抱き、根付くことができるような「場所」へと変えていくことである。しかし、従来の研究では、「空間」から「場所」への組み替えの必要性が指摘されることはあっても、その具体的プロセスについては必ずしも明らかにされたとは言えない状況である。それでも重要な研究をひとつ挙げるとすれば、ケヴィン・リンチの『都市のイメージ』である。リンチの研究は、都市に住む人びとにメンタル・マップを描かせることで、人種や所得などのさまざまな属性によって、描かれる地図が大きく異なるということを明らかにした。これは、「空間」としての都市はひとつだが、「場所」としての都市は人びとによって大きく異なって広がっていることを反映している。そこで、リンチの研究を受け、「人びとがどのような地図を思い描いているのか」という考察と、「地図が与える人びとへの影響」の考察という、人びとと地図との相互作用に注目し、都市の「空間」が「場所」に組み替えられていく具体的プロセスについて研究を進めていっている。本年度は、具体的対象として、世界各園のデザイン化された地下鉄路線図を取り上げ、地図がもたらす「社会(学)的想像力」について明らかにし、投稿論文へと結実させることになる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] コンビニの利便性と安心感2010
Author(s)
石井和也
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Journal Title
GCOE Working Papers Next Generation Research 現代日本におけるコンビニエンス・ストアをめぐる意識―店舗と行政への調査から
Pages: 7-21
Peer Reviewed
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