2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規小胞体ストレスセンサーOASISの生体内における機能解明
Project/Area Number |
08J03757
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
齋藤 敦 University of Miyazaki, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 小胞体ストレス / 転写因子 / 分化・成熟 |
Research Abstract |
転写因子として機能するOASISおよびBBF2H7の標的遺伝子を同定する目的で、既に作成している各々のノックアウトマウスから初代培養法によって細胞を抽出し、その標的遺伝子を同定することを試みた。具体的には、野生型マウスとノックアウトマウスにおける遺伝子発現レベルを、マイクロアレイプロファイリングによる網羅的解析によって比較検討した。さらにOASISおよびBBF2H7を強制発現させるアデノウイルスベクターを作成することに成功した。これを用いてノックアウト細胞にウイルスを感染させ、このサンプルと未処理のノックアウト細胞における遺伝子発現レベルをマイクロアレイによって比較した。その結果、OASISおよびBBF2H7がノックアウトされることによって、mRNAおよびタンパクの発現が野生型と比較して明らかに異なっている候補遺伝子のピックアップに成功した。この結果を元に、reporter assay、electrophoretic mobility shift assayおよびchromatin immunoprecipitation assayを行い、OASISおよびBBF2H7の直接的な標的遺伝子を同定することに成功した。これによってOASISおよびBBF2H7の生体内における機能の一端を明らかにすることができた。本研究によって明らかにしたOASISおよびBBF2H7から発信される小胞体ストレス応答シグナルは、細胞の分化・成熟を担う新たな役割を有している可能性を示唆しており、複雑な小胞体ストレス応答機構の解明に、大きな進展をもたらすことが期待できる。さらにはOASISおよびBBF2H7が制御する新たな小胞体ストレス応答が関与していると疑われる、様々な疾患の治療戦略を開発するための重要な突破口となることも期待できる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Inducer of BiP, an Endoplasmic Reticulum (ER)-resident Protein, Limits Retinal Cell Death2009
Author(s)
Inokuchi Y, Nakajima Y, Shimazawa M, Kurita T, Kubo M, Saito A, Sajiki H, Kudo T, Aihara M, Imaizumi K, Araie M, Hara H.
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Journal Title
Investigative Ophthalmology & Visual Science 50(1)
Pages: 334-344
Peer Reviewed
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