2009 Fiscal Year Annual Research Report
水生植物が繁茂する閉鎖性水域における熱的擾乱に基づく成層密度流
Project/Area Number |
08J03774
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱上 邦彦 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 熱対流 / 水生植物 / 混合層 / サーマル / 不均一冷却 |
Research Abstract |
前年度までの研究成果により,閉鎖性水域の熱対流に及ぼす水生植物の影響についてその水質浄化機能を向上させることを目的として現地観測・水理実験および数値計算を用いた検討を行った結果,水面に水生植物が繁茂する場合,水面において不均一加熱冷却過程により密度差に基づく水平方向の流れが生じ混合層の発達過程に影響を及ぼすことを示した.閉鎖性水域の熱対流現象を定量的に把握するためには,これに加えて,非一様水深の水域における熱対流場を考える必要がある.すなわち,水深の非一様性に基づく水平方向の熱容量差による水平対流の効果を考える必要がある.そこで,今年度は,浅水域を有する閉鎖性成層水域における放射冷却に基づく熱対流に関して,深・浅水域間に生じる水平方向の密度差に起因する水平対流が水温成層の消滅に及ぼす影響について検討を行った.水温鉛直分布計測および理論的考察の結果,水平方向密度差により深・浅水域間に発生する水平対流が混合層の水温低下速度および混合層厚さの発達速度に影響を及ぼすことを明らかにした.混合層水深が浅水域底部に達した後,深・浅水域間の密度差に基づく水平対流が深水域における混合層の水温低下速度および混合層厚さの時間変化に影響を及ぼし,時間の経過とともにその寄与率が大きくなることを示した.また,可視化実験による熱対流の形成・発達要因であるサーマルの特性について水深一様場との比較を行った結果,浅水域を有する水域におけるサーマルの発生頻度および発生間隔は水深一様場に比べ大きくなり,このサーマルの特性の変化が混合層の発達特性に影響を及ぼしていることを明らかにした.
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Research Products
(8 results)