2009 Fiscal Year Annual Research Report
選択的エンドサイトーシスを介したNotch下流シグナルの二分岐機構の研究
Project/Area Number |
08J03792
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山田 健太 Tokyo University of Science, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Notch / Deltex / 小胞輸送 / エンドサイトーシス / Rab / Rab2 / ショウジョウバエ / Drosophila |
Research Abstract |
Notch受容体(N)を介した情報伝達系(N情報伝達系)は、細胞間の直接的な接触を介する情報伝達系であり、多細胞動物間で進化的に広く保存されています。N情報伝達系の細胞内構成因子の一つであるDeltex(Dx)は、Nの小胞輸送を調節することが知られています。 これまでのDxの機能に関する知見は、Dxを異所的に過剰発現させることで得られてきました。平成二十一年度、私はdxの機能喪失型突然変異体を用いることで、生体内におけるDxの内在的な機能を解析しました。その結果、DxはNの細胞膜上から初期エンドソームへの移行に必要とされることを明らかにしました。さらに、以前より知られている古典的なN情報伝達系の活性化が、Nが細胞膜表面から初期エンドソームへと輸送される間、つまり小胞輸送の初期段階で起こるのに対し、Dxを介したN情報伝達系の活性化は、Nが小胞輸送の後期区画へと到達した段階で起こることを示すことができました。 また、ショウジョウバエ幼虫の翅成虫原基において、RNA干渉法を利用し、Dxの過剰発現によるN情報伝達系の異所的な活性化を抑制する遺伝子の探索を行いました。その結果、Dxを介するN情報伝達系に関与する新たな因子として、ショウジョウバエRabファミリーの一つであるRab2を同定しました。Rab2は主にゴルジ体に局在し、小胞体-ゴルジ体間の輸送に関わることが報告されています。しかし、N情報伝達系に関与するという指摘は、現在までになされていません。今後は、Rab2機能喪失型突然変異体とRab2タンパク質に対する抗体を作出し、それらを用いて、より詳細に機能を解析していくことを考えています。
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Research Products
(1 results)