2008 Fiscal Year Annual Research Report
選択的エンドサイトーシスを介したNotch下流シグナルの二分岐機構の研究
Project/Area Number |
08J03792
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山田 健太 Tokyo University of Science, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Notch / Deltex / 小胞輸送 / エンドサイトーシス / HOPS複合体 / リソソーム様小器官 / ショウジョウバエ / Drosophila |
Research Abstract |
膜受容体を介する細胞シグナルは、下流で複数の経路に分岐する場合があることが知られている。しかし、情報伝達経路の分岐が起こる分子機構は、ほとんど理解されていない。 私は,Notch受容体(Notch)を介した情報伝達経路が、Notchが小胞輸送される細胞内区画に依存し、古典的経路と第二経路に分岐することを示唆する結果を得ている。この結果を踏まえ、E3ユビキチンリガーゼDeltexがNotchの細胞内ドメインと結合することで、Notchの小胞輸送を制御する因子の組み合わせが変化し、第二経路活性化の場への輸送が促進されると考えている。 平成20年度は、TAPシステムを利用したタンパク質複合体同定法を行い、二つの経路の分岐に関する因子を同定するため、NotchとTAPタグのキメラタンパク質を発現するショウジョウバエ系統を作出した。TAPタグとしては、高効率でタンパク質を回収できるFLAGタグとHisタグをタンデムにつなげたものを用い、さらに、キメラタンパク質の発現をピートショックプロモーターの制御下におくことで、実験をより簡便に行うことを可能とした。今後はショウジョウバエ幼虫より得た抽出液を調整し、精製後に質量分析にかけることで目的の因子を同定する予定である。 また、HOPS複合体の構成因子をコードしているcarnation、deep orangeの機能完全喪失型突然変異体において、古典的経路は機能するのに対し、第二経路は機能しないことを明らかとした。HOPS複合体は、膜タンパク質がリソソーム様小器官(Lysosome-Related Organelle、LRO)へ輸送される際に機能することが知られている。従って、この結果は、第二経路におけるNotch活性化の場が、LROであることを示唆していると考えている。
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Research Products
(8 results)