2010 Fiscal Year Annual Research Report
選択的エンドサイトーシスを介したNotch下流シグナルの二分岐機構の研究
Project/Area Number |
08J03792
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山田 健太 東京理科大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Notch / Deltex / 小胞輸送 / エンドサイトーシス / ショウジョウバエ / Drosophila |
Research Abstract |
Notch受容体(N)を介した情報伝達系(N情報伝達系)は、細胞間の直接的な接触を介する情報伝達系であり、多細胞動物間で進化的に広く保存されています。N情報伝達系の細胞内構成因子の一つであるDeltex(Dx)は、Nの小胞輸送を調節することが知られています。 これまでのDxの機能に関する知見は、Dxを異所的に過剰発現させることで得られてきました。昨年度、私は、dx 機能喪失型突然変異をホモに持つショウジョウバエ系統(dx 機能喪失型突然変異体)を用いることで、生体内におけるDxの内在的な機能の解析を試みました。その結果、dx突然変異をホモに持つ体細胞領域では、細胞膜からのエンドサイトーシスによるNotchの取り込みが減少すること、Notchの初期エンドソームへの輸送が遅延することを示すことができました。さらに、dx 非存在下では、Notchの分解が妨げられ、未知の細胞内区画で安定化することを示唆する結果を得ました。以上より、Dxは、細胞膜からの取り込みと、初期エンドソームからリソソームへの輸送という、Notchの小胞輸送の二つの段階に機能すると推測されます。また、以前より知られている古典的なNotch情報伝達系におけるNotchの活性化が初期エンドソームで起こるのに対し、Dxを介したNotch情報伝達系におけるNotchの活性化は、リソソームや、リソソームに類似した酸性度の高い区画、つまり、小胞輸送の後期区画へとNotchが到達した段階で起こることを示すことができました。 以上の成果は、平成23年3月、Genes to cells誌に掲載されました。
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Research Products
(2 results)