2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J03808
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹本 隆 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Chow群 / 種数2以上の代数曲線 / cycle写像 / reduction |
Research Abstract |
Xがp-進体上の曲線の積である時に,XのChow群CH_{0}(X)のp冪を法とした群CH_{0}(X)/p^{n}の構造を考えることが本研究のテーマである.今年度はXが種数2以上の代数曲線の2つの積である場合についてこの研究を行った.この構造の決定にはcycle写像と呼ばれる写像の像を計算する手法があり,Raskind-Spiess両氏が与えたcycle写像の像の計算方法によって試みた結果,代数曲線のJacobi多様体のreductionが混在しない場合については,そのJacobi多様体のp^{n}等分点が有理点であるという仮定の下で,その像を計算し,CH_{0}(X)/p^{n}の構造を完全に決定することができた.またreductionが混在する場合については,代数曲線のJacobi多様体のNeronモデルの形式群が関わりを持つことが証明できた.現在はその形式群を用いてCH_{0}(X)/p^{n}の構造を計算中である. 昨年度までは種数が1,つまり楕円曲線の場合の研究を行い一定の成果を得たわけであるが,楕円曲線で分かっていることが一般の代数曲線ではどのような結果になるかということは数論幾何では関心が持てうる内容であり,またChow群自体も代数曲線の因子類群を一般化した不変量で同分野において興味深い対象ではあるものの,その構造についてはよく分かっていないことが多いため、上記のような結果は大変意義深いものであったと考えられる.
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