2009 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム触媒を用いた多置換トリアゾールの新規合成法の開発
Project/Area Number |
08J03818
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩崎 真之 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | トリアゾール / クリックケミストリー / 配位子 / 銅 / アルキン / アジド / 1,3-双極子感化付加反応 / ポリトリアゾリルアミン骨格 |
Research Abstract |
トリアゾール骨格は生理活性物質中によく見られ、有機化学において大変重要な複素環である。よって、位置選択的にトリアゾール骨格を構築することができれば有用である。これまでパラジウム触媒による炭素-炭素結合生成反応の開発を行ってきた。その研究過程で、パラジウム触媒による塩化アリールを用いた1,4-二置換-1,2,3-トリアゾールの直接アリール化反応を開発し、すでに国際学術誌において発表している。研究課題であるパラジウム触媒による多置換トリアゾールの新規合成法の開発を遂行する過程で、出発原料である1,4-二置換-1,2,3-トリアゾールの高効率的な合成法に興味を持った。本研究課題を遂行するために、様々な配位子を合成し、カロリメーターを用いて、その触媒活性を評価した。その結果、トリス(ターシャリーブチルトリアゾリルメチル)アミン(TTTA)が本反応に最も効率の良い配位子であることが分かった。さらに、配位子の溶媒への溶解性が高いほど、触媒活性が向上することが明らかになった。次に、最も効率の良かったTTTAの簡便な合成方法についても検討した。TTTAの原料となるターシャリーブチルアジドは、従来その爆発性のため取り扱い困難であった。そこで、その化合物を単離することなくワンポットでトリプロパルギルアミンとの反応を行うことで、安全でかつ高収率で目的とするTTTAを得ることができた。本研究は、有機化学上有用であるだけでなく、今後、生物学の分野への応用も期待される。さらに、この配位子が、1,3-双極子環化付加反応以外の一価銅活性種による反応に利用されることも期待することができる。
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Research Products
(3 results)