2010 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞と非造血系細胞の相互作用による自己免疫疾患の発症機構の解明
Project/Area Number |
08J03819
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北林 知佳 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 自己免疫疾患 / インターロイキン-6(IL-6) / インターロイキン-17A(IL-17A) / Th17 / 非造血系細胞 |
Research Abstract |
我々の研究室では、インターロイキン-6(IL-6)の細胞内シグナル伝達分子であるgP130に変異を入れ、IL-6シグナルが亢進したマウスを確立し、このマウスが自己免疫性関節炎を自然発症することを報告した。さらにこの関節炎発症に非造血系細胞へのIL-6シグナル亢進が必要であること、IL-17Aを産生するヘルパーT細胞のサブセットであるTh17が関与することが、これまでに明らかになっている。線維芽細胞はIL-17AあるいはIL-6刺激によってIL-6を産生するが、このIL-6産生は、IL-17AとIL-6の両方の刺激により、相乗的に増加することが明らかになった。このことから、IL-17Aが非造血系細胞においてIL-6のポジティブフィードバックを起こし、これが自己免疫疾患発症の引き金となることが示唆された。そこで、IL-6のポジティブフィードバックを関与する分子の同定を試みた。IL-6産生のポジティブフィードバックに関与する分子を同定するために、スクリーニングを行った。そこで見出した候補分子について2次スクリーニングを実施し、さらに候補分子の絞り込みを行った。その結果、絞り込んだ候補分子について、IL-6の産生にどのように関与しているのか、詳細な分子メカニズムを検討している。具体的には、IL-17AとIL-6によるIL-6のmRNA発現までのシグナル伝達に関与するかどうかを確認するため、mRNAレベルでのIL-6発現に関与する分子であるかを確認し3ている。現在、mRNAレベルでのIL-6発現に関わる分子について、IL-6やIL-17によるシグナル伝達に関与するかを確認するために、STAT3やNF-κBなどのシグナル伝達に関わる分子に対する影響を検討している。この分子メカニズムが明らかになれば、自己免疫疾患の治療に有効な標的分子となることが期待される。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] Zinc suppresses Th17 development via inhibition of STAT3 activation.2010
Author(s)
Kitabayashi C., T.Fukada, M.Kanamoto, W.Ohashi, S.Hojyo, T.Atsumi, N.Ueda, I.Azuma, H.Hirota, M.Murakami, T.Hirano.
-
Journal Title
International Immunology
Volume: 22(5)
Pages: 375-386
Peer Reviewed
-
-
-
-