2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J03831
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 知紀 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超電導ケーブル / 液体水素 / マイクログリッド / 電力安定化 / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
本研究の目的は,液体水素-超電導機器の複合化によって,クリーンで高効率にエネルギーを利用できるマイクログリッドを実現できることを示すことである。実際のインフラ整備におけるモデルを提案することで,もはや一刻の猶予もない地球環境問題やエネルギー資源の枯渇の問題を解決できる水素-超電導社会の実現を促すことができる。このために,太陽光発電や風力発電などの再生可能であるが変動が大きな自然エネルギー源からの電力を有効に貯蔵・再利用するための水素貯蔵や超電導磁気エネルギー貯蔵装置,燃料電池による発電,一般電力機器,水素製造・液化機,マイクログリッド外電力系統,およびパイプラインによる液体水素輸送,超電導直流送電などからなるシステムモデルを作成した,作成したモデルにおいて,提案したマイクログリッドは,高品質な電力供給が可能であることが分かった。また,本マイクログリッドに必要とされる超電導磁気エネルギー貯蔵装置の最適な容量を調査した。省エネルギーが期待される液体水素と超電導によってエネルギーを輸送する,液体水素-超電導ハイブリッドエネルギー輸送システムを提案した。将来において有望とされる水素が社会のさまざまな分野で利用されるようになるとすると,その輸送方法を検討しておくことは重要である。燃料電池による電力換算500MW相当の液体水素と2.7GW超電導ケーブルの複合エネルギー輸送システムを設計し,総合損失を求めた。検討の結果,今回提案したハイブリッドエネルギー輸送システムは,従来のCVケーブルよりも損失を低減できる可能性を示した。また,貯蔵性のエネルギー源である液体水素と燃料電池の組み合わせにより,電力需要のピークが送電容量を超える際に,4時間程度,最大2倍程度のピーク電力を補償できることが分かった。
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Research Products
(3 results)