2009 Fiscal Year Annual Research Report
パルスレーザー堆積法による窒化インジウム系光・電子材料の低温成長とヘテロ構造作製
Project/Area Number |
08J03834
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 篤 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 窒化インジウム / パルスレーザ堆積法 |
Research Abstract |
InNはIII族窒化物半導体の中で最も狭いバンドギャップ(~0.6eV)と、高い飽和電子速度を有するため、赤外域で動作する高信頼性通信用レーザーや高周波トランジスタへの応用が期待されている。しかしながら、InNの熱分解温度が低いという本質的な問題があるため、高品質薄膜の結晶成長が困難であり、デバイスの実証にまでいたっていないのが現状である。InNが持つ魅力的な物性をデバイスに応用するためには、低温で高品質薄膜を成長する技術を開発する必要がある。PLD法は同じIII族窒化物半導体であるGaNやAlNの低温成長の実績があり、InNの成長においても格子整合基板を用いることで、高品質薄膜の低温成長が可能であると考えられる。 本研究では、PLD法によりInNを高品質化する成長プロセスの開発を行い、デバイス応用の可能性を追求することを目的としている。 平成21年度は、極性制御を行うことでIn極性とN極性のInN系へテロ構造を作製し、界面急峻性、表面平坦性の評価を行った。歪みに起因するピエゾ効果や量子サイズ効果を考慮した上で、発光波長や強度の測定を詳細に行い、InN系へテロ構造の発光特性やバンドオフセットを明らかにした。また、高品質化したInN薄膜上に低温でAlNを成長させ、AlN/InN界面急峻性の成長温度依存性を詳細に調べ、構造の最適化を行った。AlN/InN界面のバンドアライメントを決定し、特性向上への知見を得た。
|
Research Products
(12 results)