2008 Fiscal Year Annual Research Report
パルスレーザー堆積法による窒化インジウム系光・電子材料の低温成長とヘテロ構造作製
Project/Area Number |
08J03834
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 篤 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 窒化インジウム / PLD |
Research Abstract |
InNはIII族窒化物半導体の中で最も狭いバンドギャップ(〜0.6eV)と、高い飽和電子速度を有するため、赤外域で動作する高信頼性通信用レーザーや高周波トランジスタへの応用が期待されている。しかしながら、InNの熱分解温度が低いという本質的な問題があるため、高品質薄膜の結晶成長が困難であり、デバイスの実証にまでいたっていないのが現状である。InNが持つ魅力的な物性をデバイスに応用するためには、低温で高品質薄膜を成長する技術を開発する必要がある。PLD法は同じIII族窒化物半導体であるGaNやAlNの低温成長の実績があり、InNの成長においても格子整合基板を用いることで、高品質薄膜の低温成長が可能であると考えられる。 本研究では、PLD法によりInNを高品質化する成長プロセスの開発を行い、デバイス応用の可能性を追求することを目的としている。 初年度(平成20年度)はInNに格子整合する基板材料の選定を行った。基板表面平坦化技術が確立していない基板に対して研磨処理やアニール処理を行い、文献調査による他の格子整合基板の探索も平行して行った。平坦化処理が成功した基板に対して界面反応制御を重点に置き、InNの成長を行った。様々な成長温度で格子整合基板上にInNを成長させ、界面反応層厚さや結晶性、表面形状の成長温度依存を明らかにした。また、InNの極性制御技術を確立した。さらに、成長条件の最適化を行うことで、結晶性が高く、残留キャリア濃度が低いInN薄膜の成長を実現した。
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Research Products
(8 results)