2008 Fiscal Year Annual Research Report
集水域の気候緩和機能評価とその機能を活かした強化学習による統合的水資源管理
Project/Area Number |
08J03836
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 智揮 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 熱・水分連成解析 / 地表面温度観測 / サーモグラフィ / 浅層地下水 / 有限要素法 |
Research Abstract |
気候緩和機能評価モデルの構築に必要な2つのサブモデル,(1)土壌サブモデル,(2)大気サブモデルを構築し,(1)を用いた数値シミュレーションにより対象地における熱移動と水分移動の関係について考察した.具体的には,気候緩和に対する農地の寄与,特に灌漑の効果について調査するために,灌漑期においてサーモグラフィを用いて地表面温度を観測した.灌漑農地の地表面温度が周辺部(住宅や道路)のそれよりも低いことが観測され,地表面温度と気温は相互作用する関係にあることから,灌漑農地の気温上昇に対する抑制効果を示唆する結果を得た.また,同一の土地利用であっても地表面温度に違いがあることが観測された.この原因は,農地の立地条件による浅層地下水の流動の違いが土壌の温度形成に影響を及ぼしたためと考えられた.そのため,土壌内の熱移動・水分移動を同時解析できる数値モデル(1)を構築し,それを用いたシミュレーションから,浅層地下水の流動の違いによる地温形成への影響が明らかとなった.この結果を関連学会で成果として発表した.また,土壌内の実際の温度形成について調査するとともに,土壌サブモデルのキャリブレーションを行うために,作付けの終了した非灌漑期の水田において地温や土壌水分の観測を行った.観測結果と計算結果の比較についての考察を次年度において関連学会で発表する予定である.
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Research Products
(5 results)