2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウス嗅覚受容神経細胞におけるHCNチャネルの役割についての解析
Project/Area Number |
08J03893
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 則行 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | spontaneous activity / olfactory receptor neuron / hyperpolarization activated cyclic nucleotide gated channel / HCN channel |
Research Abstract |
研究計画にあるトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製した。このTgマウスはCre遺伝子依存的にHyperpolarization activated cyclic nucleotide gated(HCN)channelのドミナントネガティブ体を発現し、細胞内でHCNチャネルの機能を阻害すると予想される。生理学的意義に未解明なことも多いHCNチャネルの役割を明らかにすることが期待される。現時点では、ゲノム上にトランスジーンが挿入されたことを確認し、そのTgマウスを用いてさらに別のTgマウス(ORNでCre遺伝子を発現するもの)との交配をし、ジェノタイピング、組織学的検索によるトランスジーンの発現を確認したうえで、今後は表現型の解析も行っていく予定である。 嗅上皮スライス標本における嗅神経細胞(ORN)からの電気記録は、細胞の大きさ、上皮細胞集団内での特定の困難さから極めて困難であった。今回、脂溶性色素(DiI)により生体染色をすることで、生きたスライス標本上でのORNの可視化に成功し、電気生理学の実施が大幅に改良された。それにより、ホールセル記録がより正確にORNから行えるようになった。また細胞外記録においては、すでにHCNチャネルの特異的プロッカーであるZD7288によりORNの自発発火が抑えられることを報告していたが、さらに濃度依存的に効果発現までの時間経過が短くなることを明らかにした。HCN電流がより直接的に膜特性に作用し、自発発火をコントロールしていることが示唆された。
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