2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規に発見した聴覚皮質腹尾側領野の機能に関する研究
Project/Area Number |
08J03900
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西村 方孝 Kumamoto University, 医学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光計測 / 雑音低減 / マルチモーダル |
Research Abstract |
本研究における光学計測では、蛍光量変化を初期蛍光量で除した値(分数蛍光変化量)を用いて、皮質の神経細胞の活動を間接的に記録しているが、研究代表者はその計算手順(複数考えられる)を定式化し、定式化された式に含まれている定義された三つの雑音指数の評価を、モンテカルロシミュレーションを用いて行った。その結果、計算手順によっては無視できないほど大きな雑音指数の減少が見られた。これらのシミュレーションによって得られた結果は直ちに、実際の光学計測における分数蛍光変化量の計算に適用でき、計測試行間の信号のばらつき、及び、各画素が独立信号であると仮定した場合の空間的な信号のばらつき(空間雑音)を数学的、科学的根拠に基づき低減することが可能となった。上述の微弱信号の検出に関する計算実験によって、高い信号雑音比を得ることができたが、本研究を進める中、筆者は偶然、先行研究では報告されていない特徴的な皮質の活動を光学計測によって見出した。その活動は一次野の活動と比較して非常に微弱(信号変化率が1/1000以下)であったため、微小電極を用いて光学計測と同時に局所電場電気の記録を行い、その微弱信号が予期しないアーチファクトではない可能性が高いことを示した。その微弱信号を示す領野はマルチモーダルな応答を示し、さらに、異なるモダリティの刺激間で相互作用を示した。これらは光学計測のみならず、微小電極を用いた電位計測によって見られた。
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