2009 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的衝撃波における粒子加速の定式化と個別の天体現象への応用に関する理論的研究
Project/Area Number |
08J03945
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青井 順一 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高エネルギー天文学 / ガンマ線バースト / 衝撃波加速 |
Research Abstract |
ガンマ線バースト(以下、GRB)は宇宙で最も激しい爆発現象であり、光速に近い(相対論的)速度で動いているジェットが起源であるとされている。GRBの放射機構は明らかにされていないが、ジェット内部に生じた相対論的衝撃波中で加速された粒子が高エネルギー電磁波(ガンマ線)を放射しているという説が有力である。我々は観測されるガンマ線からジェットの速度を制限する研究を行っている。この研究を行うことによって、1、GRBのモデルに対して制限を与えて、GRBの起源に迫ることが出来る、2、私がこれまでに研究を進めてきた相対論的衝撃波加速が実際に起こっている証拠を観測的に得られる、という2点が明らかになる点が重要である。 私はモンテカルロ・シミュレーションによってジェットをモデリングして、ジェット内部に生じる多数の相対論的衝撃波の振る舞いを調べた。そこで、私がこれまでに研究してきた相対論的衝撃波加速理論を考慮して衝撃波中に生じる高エネルギー粒子の量を計算して、それらの粒子が放射するガンマ線の量を数値的に求めた。また、数式を用いて同様の計算を行い、ジェットの速度が位置によらずほぼ一定の場合には数値計算の結果と解析解が一致する事を示した。これらの計算結果と観測を比較する事でジェットの速度が明らかになると期待される。現在はフェルミ衛星によってGRBの観測が精力的に進められており、ガンマ線の観測からジェットの速度が明らかになる事が期待されている。
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Research Products
(4 results)