2009 Fiscal Year Annual Research Report
イネ減数分裂で染色体行動を支配する要因とゲノム間雑種の解析
Project/Area Number |
08J03951
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
米田 典央 The Graduate University for Advanced Studies, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 減数分裂 / 相同染色体 / 生殖 / イネ |
Research Abstract |
イネの減数第一分裂前期における染色体挙動や、対合、相同組換えなどの現象の相互関係を明らかにすることを目的に研究を行った。昨年度までに第一分裂前期においてテロメアは核の一極に一時的に集合すること、一方、セントロメアは核内で複数の集合体を形成していることを明らかにしていた。またシナプトネマ複合体の構成タンパク質OsZYP1を同定し、染色体の対合領域に局在することを確認していた。本年度は、テロメアおよびセントロメアの挙動と相同染色体対合の時空間的な関係を明らかにするため、OsZYP1を対合のマーカーとして、蛍光顕微鏡による観察を行った。その結果、セントロメアの集合体形成は対合に先立って起こり、その後、テロメアの集合とともに染色体対合が開始することが明らかとなった。興味深いことに、テロメア近傍領域は他の染色体領域に優先して対合することがわかった。これはテロメア近傍での対合が促進されていることを示唆しており、テロメア集合の対合への寄与が想定される。一方、セントロメア近傍では対合しやすい傾向は見られなかった。また対合がほぼ完了した時期でも、セントロメア依然として対合していない場合が多かった。このことからセントロメアでは対合が抑制されていることが示唆された。以上の結果より、染色体領域によって対合時期に差異があることが明らかとなり、特にテロメアやその近傍領域は、相同染色体の対合において、重要な役割を果たしている可能性が示唆された。また、上記に加え、相同組換え領域の可視化に向け、DNA組換えタンパク質であるDMC1,MLH1のイネホモログに対する抗体を作製し、間接免疫蛍光法による局在解析を試みたが、シグナルを検出できなかった。実験条件の再検討を行っているが、今後、その他の分子マーカーを用いることも検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)