2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネ減数分裂で染色体行動を支配する要因とゲノム間雑種の解析
Project/Area Number |
08J03951
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
米田 典央 The Graduate University for Advanced Studies, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 減数分裂 / 相同染色体 / 生殖 / イネ |
Research Abstract |
イネの減数第一分裂前期における染色体挙動と対合、相同組換え等の相同染色体間相互作用に関わるタンパク質について当該年度は以下の解析を行った。 (1)減数第一分裂間期から前期にかけての染色体挙動の解析 減数第一分裂前期におけるテロメア、セントロメアの挙動を解析した。テロメアは第一分裂前期になると核膜付近に局在するようになり、その後相同染色体の対合に先立って核の一極へ集合することが明らかとなった。一方、セントロメアは第一分裂前期に入ると核膜付近から内部に局在を変えるとともにセントロメア同士が結合し、複数のクラスターを形成した。これらの結果はテロメアやセントロメアの核内配置が第一分裂前期において動的に制御されていることを示しており、それによって染色体位置や配向か制御されている可能性が考えられる。さらに染色体上の位置の違いによる挙動の違いについて調べるために第11番染色体の異なる位置に座上する複数のDNAプローブを調整した。今後それらを用いて蛍光in situ hybridization法による解析を進める。 (2)相同染色体間相互作用に機能するタンパク質の解析 シロイヌナズナのシナプトネマ複合体(SC)の中央要素であるZYP1のイネホモログ、OsZYP1を同定した。局在解析よりOsZYP1タンパク質が対合した相同染色体の間に存在することが明らかとなった。またTos17挿入変異体集団より見出したoszyp1変異体では相同染色体が対合しなかった。これらの結果はOsZYP1が対合に必須なSCの構成要素であることを示しており、OsZYP1は対合領域を可視化するための有用な分子マーカーとして期待できる。現在相同染色体間の組換えに機能するDMC1、MLH1等のイネホモログを同定し、抗体作製を試みており、今後免疫染色法による各タンパク質の局在解析を進めていく。
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Research Products
(2 results)