Research Abstract |
本研究では,2足歩行ロボットの砂利道や砂地などの脚接地面が変形するような路面に対する適応歩行の実現を目指し,接地面積が大きく確保でき,路面との接地圧を低減させることが可能な足部機構と路面適応制御を開発することを目的とする.また,それらを定量的に評価するために新たに"歩きにくさ"の指標を提案する.そのためには,路面形状を正確に測定する必要があるため,路面形状測定装置を設計・製作し,開発した不整地適応制御系を定量的に評価することも目的とする. 計画の前半である平成20年度は,以下の3点について研究を推進した. 1.不整地適応制御系の開発 路面形状が検出可能なセンサ式足部機構とそれに応じた路面適応制御を開発した.これは,足底の4隅に路面高さが検出可能なセンサを備え,4つのセンサのうち最初に路面を検知したセンサに応じて,実際に路面と支持多角形を形成する3つのセンサを決定し,着地軌道の修正を行うものである.この不整地適応制御系を2足ヒューマノイドロボットに実装し歩行実験を行ったところ,20mmまでの凹凸に適応でき,実際に屋外の凹凸路面での歩行に成功し,その有効性を確認した.今後は以下に述べる指標に基づき,定量的に評価を行う. 2."歩きにくさ"の指標の洗い出し 開発した不整地適応制御系を定量的に評価するため,"歩きにくさ"の指標の洗い出しを行った.具体的には,足底基準面の基準点の相対高さ,足底基準面の絶対傾斜,支持多角形の面積,足底面内の凹凸度合いなどである.指標を選出する際には,あらゆる大きさの2足歩行ロボットの歩行能力の評価に使用できるよう,可能な限り無次元量になるよう注意した. 3.路面形状測定装置の設計 歩きにくさの指標を洗い出すとともに,それらの指標を求めるために必要な路面データを取得可能な路面形状測定装置の設計を行った.実際の開発は平成21年度に行う.
|