2008 Fiscal Year Annual Research Report
代謝異常とエイジングを結ぶ新たな分子機序の解明-Klotho研究からのアプローチ
Project/Area Number |
08J03988
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 智洋 Kyoto University, 医学研究科, 助教
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Keywords | 脂肪細胞 / メタボリックシンドローム / 糖脂質代謝 / シグナル伝達 / FGF(Fibroblast growth factor) / Klotho |
Research Abstract |
αKlothoはNa,K-ATPase(NaK)やFGF23・FGF受容体との結合を介して個体の体液カルシウム恒常性制御における中心的役割を担うことが明らかとなってきた。一方、αKLとアミノ酸配列上高い相同性を有するβKlotho(βKL)は、肝臓、脂肪組織、膵臓に発現を認め(Mech Dev 98:115,2000)、肝臓における胆汁酸合成酵素cyp7alの遺伝子発現調節に関わること(J Clin Invest 115:2202,2005)が知られている。本研究では、βklotho遺伝子欠損マウスを用いた実験により、FGF19による肝臓でのcyp7alの遺伝子発現抑制にはβKLが必須であることをin vivoで初めて証明し、KlothoとFGF19,23ファミリーによる協働的な代謝調節メカニズムの提唱に成功した(Tomiyama et al.in revision,2009)。さらにβKLが最も高いレベルで発現する臓器が脂肪組織であること、in vivroの分化系において脂肪細胞分化に伴いβKLの発現が著しく増加することから、マウス白色脂肪組織に着目してβKl結合分子の探索を行った。現在、脂肪組織の細胞膜分画を抗βKL抗体で免疫沈降し、共沈物を質量分析法により解析することで個体の組織においてβKLと結合している内因性膜分子の同定に成功しつつある。本研究の結果を踏まえた検討により今後Klothoファミリー分子による代謝制御システムの全貌が解明されることが期待される。
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Research Products
(3 results)