2009 Fiscal Year Annual Research Report
インポーティンベータ依存的核-細胞質間物質輸送の新規メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J04050
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
大塚 正太郎 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核膜孔複合体 / 核-細胞質間物質輸送 / インポーティンベータ |
Research Abstract |
本研究では、インポーティンベータの核膜孔複合体通過機構に対し、核一細胞質間輸送の制御因子であるRanと、インポーティンベータと相互作用する分子として新たに同定したIBBP1がどのような役割を果たしているか解明することを目的としている。本年度は、当初の研究計画に従い、1.in vitroにおけるインポーティンベータ、Ran、IBBP1の三者複合体の構造解析、2.HeLa細胞を用いたin vivo観察系の構築、3.卵母細胞核膜を用いた、インポーティンベータの核外排出時におけるRanおよびIBBP1の関与の検証、の三項目について研究を進めた。 1.タンパク質結合実験を行った結果、RanがGTP結合型ならば低塩濃度条件下においてもインポーティンベータ、IBBP1、Ranは三者複合体を形成すること、RanがGDP結合型ならば三者複合体を形成しないことがわかった。2.GFPタグ付きインポーティンベータを発現したHeLa生細胞の核または細胞質全体についてFRAP解析を行うことで、in vivoにおけるインポーティンベータの核-細胞質間輸送サイクルの速度を測定する手法を確立した。この成果は、国内学会において発表した。3.核外排出を解析する系としてアフリカツメガエルの卵母細胞から摘出した核膜を用いる予定であったが、HeLa細胞核を用いても核外排出を解析できる実験系を考案したので、その確立を試み、その実験系が機能する確証を得た。 今年度はこれまでに得られた知見および構築した実験手法を用いて、インポーティンベータ依存的核輸送経路の分子メカニズムの解明に向けた研究を進めていく。
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Research Products
(2 results)