2008 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質模擬天体を用いた低速度ならびに高速度衝突破壊実験
Project/Area Number |
08J04124
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
瀬藤 真人 Kobe University, 理学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 小天体 / 圧力減衰率 / 衝突破壊 |
Research Abstract |
神戸大学のヘリウム軽ガス銃や宇宙科学研究本部の二段式軽ガス銃を用いることで、低速度(200m/s前後)から高速度(4km/s前後)まで、様々な速度領域での衝突を再現することで、衝突破壊強度Q^*が圧縮強度に比例するという結果を得た。ここで、実際の衝突現象をシミュレーションするためには、衝突後の最大破片を標的の初期質量で除した値(ML/Mt)が衝突条件からスケーリングとして導かれる必要がある。しかし本研究からは、同程度の空隙を持っていても強度の異なる天体では、衝突で発生するエネルギーのみで(ML/Mt)を導くことはできないことがわかった。 そこで我々は、PIという無次元量によるスケーリングを試した。これは密な物質については過去の研究で成功しているが、多孔質物質においてはあまり研究がなされていない。そこで厚みの異なる円盤型の標的を用意し、衝突実験を行い、衝突反対点から飛び出すエジェクタ(噴出物)の速度を求めた。エジェクタ速度が分かれば、その地点での圧力が算出され、さらに衝突の初期発生圧力を計算すれば、圧力が距離と共にどのように減衰していくかが求められる。その結果、ガラスビーズ焼結体の圧力は、速度条件の違いや、圧縮強度の違いにも依らず、いずれの場合も距離の-2乗に比例して減衰することが分かった。さらに実験装置を工夫し、焼結させていない状態のガラスビーズ粉体のエジェクタ速度を測定することに成功したが、その結果も意外なことに焼結体とほぼ同じであり、やはり距離の-2乗に比例して減衰した。このようにして求めた圧力減衰率、標的の圧縮強度、弾丸と標的のサイズ比、ユゴニオ式より算出した初期圧力という4つのパラメータから無次元量PIを導きだし、(ML/Mt)と比較したところ、速度条件や圧縮強度、弾丸・標的の形状の違いにはあまり影響されず、割と良い相関関係を示した。
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Research Products
(2 results)