2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04137
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三田 敏治 Kyushu University, 農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 多様性 / 分類学 / 補食寄生 / 寄主 / 形態学 |
Research Abstract |
本年度は,日本から得られたカマバチ類を用いて形態形質や寄主との対応関係に基づいて包括的な分類学的検討を行いその種多様性を明らかにすることと,それらの簡便な同定検索システムを構築することを目標とした.【種の多様性】詳細な比較形態の結果,日本のファウナに23未記載種を含む5亜科11属91種を認めた.種数の点でいうと従来のおよそ2.5倍となる.【寄主とカマ形態】寄主とカマ形態の対応関係からは,派生的な寄主分類群の寄生者でよりカマが発達する傾向が見られるとともに,カマ形態が爪の保持部位によって質的に4つに分類可能であることが明らかになった。そのタイプの分布は亜科ごとに特有の傾向を示したため,カマの発達にともなった変化であると言える.しかしながら,時としてこのカマタイプが近縁種を識別する重要な形質ともなっていた.【新分類形質】また,カマを持たないため種の定義が不明瞭であったAphelopus属では,頭部側面形態が他属に比べて種特異的な特徴を示すことが明らかになった.これにより,メスの同定がより容易に行えるようになった.【無翅分類群の分散に関する考察】翅を持たない種の移動は制限が多いにもかかわらず,海洋島にも少なからず分布する・ウンカ・ヨコバイ類はしばしば長距離飛翔することが知られていることから,寄主の長距離飛翔が無翅カマバチの分散の重要な要因のひとつであると考えられる.
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Research Products
(6 results)