2009 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロン-シングルナノサイズの金属ナノ粒子に適用可能な酸化防止技術の開発
Project/Area Number |
08J04151
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
兒玉 大輔 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノ粒子 / 遷移金属粒子 / ポリオール法 / 化学合成 / 酸化防止 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本年度は粒子径が数十nm程度のFe-Co合金粒子およびCuナノ粒子に対する表面処理に関する研究を行った。昨年度の研究により達成した、粒子径数十nm程度のFe-Co粒子に対し、酸化雰囲気での熱処理による酸化物被覆処理および化学的手法を用いたSiO_2コーティング処理を行い、表面処理が物理的特性および耐酸化性に及ぼす影響を検討した。熱処理の結果、Fe-Co粒子表面に緻密な酸化物被膜が形成された。熱処理温度および時間により被膜厚さは制御可能であった。加えて、酸化物表面被膜の組成は熱処理雰囲気中の酸素分圧により制御可能であり、酸素分圧の低い条件下ではよりCo-richな組成となった。化学的手法を用いたSiO_2コーティング処理の結果、粒子表面へのSiO_2被膜の導入に成功した。膜厚は原料濃度および反応温度等の条件により制御可能であり、厚みが10nm以下の被膜も作製可能であった。しかし、膜厚が薄い条件では明確な耐酸化性の向上は確認されなかった。また、Cuナノ粒子を用い、表面原子置換による耐酸化性の向上を試みた。Cuと比較してイオン化傾向の低いAgイオンが溶解した溶液中にCu粒子を投入し、低温で24h以上保持することで、Cu粒子表面へのAg被膜の導入に成功した。被覆処理を施した粒子には明確な耐酸化性の向上が確認された。表面処理に加え、ポリオール法をベースとした高飽和磁化かつ粒子径の小さいFe-Ni合金微粒子合成も試みた。その結果、粒子径100nm以下かつバルクと同等の飽和磁化を示す、Fe-Ni合金微粒子合成技術を確立した。
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Research Products
(6 results)