2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞における小胞体ストレスおよびストレスシグナルの生理病態的意義の解明
Project/Area Number |
08J04191
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 佑吾 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 肥満 / 脂肪細胞 / ストレス / 転写因子 / マクロファージ / 低酸素 / 小胞体ストレス / 炎症 |
Research Abstract |
肥満脂肪組織は低酸素、炎症、酸化ストレス、小胞体ストレスなど様々なストレスに曝されていることが知られており、それらのストレスが、アディポサイトカインの産生異常やインスリン抵抗性病態を惹起することが明らかとなっている。このように、様々なストレスが脂肪細胞の機能異常を引き起こすことが分かっているものの、その詳細な分子機序はいまだ不明である。申請者は、種々のストレスで活性化し、ストレスシグチルの中核を担う転写因子、ATF2に着目し、肥満脂肪組織での発現および機能の検討を行った。その結果、ATF2が肥満脂肪組織で高発現していることを見出し、更に、免疫組織化学法を用いて、ATF2が脂肪組織への浸潤細胞に限局して発現・活性化していることを明らかとした。フローサイトメトリー解析を行った結果、ATF2がM1マクロファージにより多く発現していることも明らかとした。マクロファージにおけるATF2の機能を検討するため、培養細胞を用いてノックダウンした結果、本転写因子がマクロファージにおいて抗炎症的に作用する転写因子、ATF3の発現を負に制御していることが示唆された。以上の結果から、本転写因子はM1マクロファージの炎症惹起性、およびM2マクロファージの抗炎症性に関与している可能性が示唆された。 現在までに、肥満脂肪組織へ浸潤するマクロファージ炎症を惹起し、脂肪細胞の機能異常を引き起こすことが知られていたが、M1・M2マクロファージの持つ炎症惹起性・抗炎症性に関する詳細な分子メカニズムは解析されていなかった。そこで、現在in vitro、in vivo両面からM1・M2マクロファージの炎症性・抗炎症性のメカニズムを解析中である。
|
Research Products
(4 results)