2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能遺伝子配列情報を用いた水田土壌の脱窒菌群の特定と脱窒特性診断技術の基盤構築
Project/Area Number |
08J04259
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 愛美 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脱窒細菌 / 水田土壌 / RNA / 細菌群集構造 |
Research Abstract |
本研究では、水田土壌で機能している脱窒菌の群集構造を詳細に明らかにし、中心的に機能している脱窒菌を特定し、土壌に存在する脱窒機能遺伝子を網羅的に収集して、土壌の脱窒機能診断技術を構築することを目的としている。これまでに、DNAに基づく水田中の脱窒微生物の機能遺伝子について解析し、Rhizobialesに分類される微生物が多く存在している事が示唆された。しかし、それらの微生物が実際に脱窒を行っているかは不明である。そこで、再現可能な実験系として、脱窒を活性化させる室内モデル実験系を設定し、土壌DNAとRNAを抽出し、解析・比較することで土壌中の脱窒微生物の構成と活性を調べる事を目的とした。 新潟県農業総合研究所の連作水田土壌から採取した土壌に、土壌に脱窒の基質であるコハラ酸・硝酸を加え、嫌気条件下で0,6,12,16,20,24時間培養した土壌からそれぞれDNAとRNAを抽出し、RNAについては逆転写を行いcDNAとした。抽出したDNAを元に16S rRNAと脱窒機能遺伝子nirS,nirK,nosZを標的とした定量的PCRを行った結果、培養の時間が経過するに従って各遺伝子のコピー数は段階的に増加した。一方、cDNAを元にした同様の定量的PCRの結果、16S rRNA,nirS,nosZの発現量は培養20時間目のサンプルで最大となり、これは脱窒活性が活発となる培養時間と一致していた。また、16S rRNAとnirSを標的として、培養0時間と20時間のDNA、RNAそれぞれについてクローンライブラリー解析を行った。その結果、16S rRNAとnirSの両方でBetaproteobacteriaに近縁な配列が多く得られた。
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Research Products
(4 results)